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2012年2月 3日 (金)

パーフェクト・センス - PERFECT SENSE -

ユアン・マクレガー×エヴァ・グリーン共演
《緊張》と《感動》のヒューマンドラマ

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Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010
2011年/イギリス/カラー/スコープサイズ/
ドルビーデジタル/上映時間:92分
/日本語字幕:鈴木恵美/R15+
提供・配給:プレシディオ/協力:ハピネット
場所:テアトル梅田

解説

サンダンス映画祭を震撼させた終末の物語が
今、そのベールを脱ぐ。

その人類がかつて経験したことのない異変は、
何の前触れもなく世界中を揺るがした。

“SOS”と名付けられた原因不明の感染症が爆発的に拡散し、
あらゆる人々の嗅覚を奪い去ってしまったのだ。

さらにその奇病は猛然たるスピードで
新たなステージへと突き進み、
感染者たちの味覚や聴覚を失わせていく。

それはいかなる科学者にも、政治家にも、
宗教家にも止めようのない人類存亡の危機だった。

シェフのマイケルと科学者スーザンは、
そんな恐るべき極限状況のさなかにめぐり合った。

くしくも謎の病に冒されたまさにその瞬間、
彼らは運命的な恋に落ちた。
ひとつまたひとつと五感が消えゆくなか、
確実に迫り来る世界の終わりに
身をすくませるふたりは、
いったい何を目の当たりにし、
何を感じとるのだろうか……。

地球温暖化、テロ、ウィルス、金融恐慌。
これら21世紀を覆うさまざまな不安要因を反映してか、
近年数多くの終末映画が生み出されている。

頼もしいヒーローたちが地球を襲う小惑星や
天変地異に敢然と立ち向かっていった20世紀末の
ハリウッド大作は、今や遠い昔のおとぎ話のよう。

2000年代に突入してから世に送り出された『28日後...』(02)、
『トゥモロー・ワールド』(06)、
『ブラインドネス』(08)、『ザ・ロード』(09)
といった終末映画は、よりリアリスティックに、
より真摯にテーマにアプローチし、
生々しいスリルや問題提起をはらむ傾向にある。
 
アメリカ国内外の個性的なインディペンデント映画が集う
サンダンス映画祭に出品され、その斬新な映像世界が
観る者を震撼させた『パーフェクト・センス』は、
上記の非ハリウッド系終末映画の系譜に
新たなモニュメントを打ち立てる衝撃作。

古来から人類が備えた感覚機能たる嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触覚の
五感を、ひとつずつ喪失させていく未知の病をめぐる戦慄の物語。

スコットランド・グラスゴー在住のひと組の男女を
主人公にしたこの映画は、美しき恋人たちの日常が
突発的な悲しみ、恐怖、憎悪にのみ込まれていく過程を
圧倒的な緊迫感をこめて映し出し、観客の想像力を
絶え間なく刺激しながら世界終焉の一大パニックを体感させていく。

ユアン・マクレガー×エヴァ・グリーン共演
《緊張》と《感動》のヒューマンドラマ

派手な視覚効果を駆使したハリウッドの
ディザスター・パニックものとはまったく異なる視点で
終末というモチーフを扱った『パーフェクト・センス』は、
極限状況のもとで出会った男女の鮮烈なラブ・ストーリーでもある。

人間の感情に多大な影響を及ぼす“SOS”の発症と時同じくして
恋に落ちたマイケルとスーザンは、それまでになく
純粋にして切迫した恋愛衝動に駆られ、
まるで“貪る”ように心のよりどころを求め合う。

そして愛すること、愛されることの意味を問い直す
寓話としても並々ならぬ迫力みなぎる本作は、
いかなる苦難に見舞われようとも前に進もうとする人間の
可能性をも見すえていく。

その力強い眼差しに貫かれたエモーショナルなドラマは、
あの3.11の悲劇を経験した私たち日本人の心にも
ポジティブな響きをもたらすに違いない。

快楽主義者のシェフである主人公マイケルを演じるのは、
イギリスが世界に誇るトップスター、ユアン・マクレガー。

『スター・ウォーズ』新3部作のオビ=ワン・ケノービ役はもちろん、
鬼才ロマン・ポランスキーの傑作スリラー『ゴーストライター』での
好演も忘れがたい人気俳優が、持ち前のナイーヴさと
親しみやすさをキャラクターに吹き込み、
サスペンスフルにして切ない映像世界へと観る者を引き込んでいく。

その相手役は『ドリーマーズ』『007/カジノ・ロワイヤル』の
エヴァ・グリーン。

心を閉ざしたキャリア・ウーマンのスーザンが真実の愛に
目覚めゆく変化を表現した繊細な演技、
そしてユアンとの官能的なラブ・シーンは見逃せない。

『トレインスポッティング』『スナッチ』のユエン・ブレムナー、
『グラディエーター』『ある愛の風景』のコニー・ニールセン、
『ウェルカム・トゥ・サラエボ』『キング・アーサー』の
スティーヴン・ディレインなど、脇役陣も実力派揃いである。

イギリスなどヨーロッパ4ヵ国の合作プロジェクトとなった
本作のメガホンを執ったのは、ユアン・マクレガー主演の
2003年作品『猟人日記』で数々の映画賞に輝いた
イギリス人監督デヴィッド・マッケンジー。

壮大なる地球規模の終末パニックと、共感を誘ってやまない
ラブ・ストーリーのコントラストを際立たせた抜群の構成力、
水辺や墓地などにカメラを持ち込んだ風景描写に息づく
アーティスティックな詩的感性は特筆に値しよう。

ストーリー【ネタバレの可能性あり】

徐々に五感を奪い去る奇病が、世界を恐怖と闇に陥れた。
男と女は、運命に導かれるように出会い、愛を知った。

スコットランド・グラスゴーの研究施設に勤務するスーザンが、
ある日、同僚のスティーブンから病院への同行を求められる。

そこでスーザンが対面したのは、ひとりの急患の中年男性。
妻との会話中に突然泣き崩れたその男性は
「生きる意味がわからない」と呟き、
なぜか嗅覚を失ったというのだ。

スティーブンの説明によると、この24時間のうちに
同様の症例の患者がイギリス国内のみならず
ヨーロッパ各国で続出しているという。
老若男女さまざまな患者たちには接点も共通点も見当たらず、
新種のウィルスのせいなのか、バイオ・テロによるものなのか
原因は一切不明。
感染症の専門家であるスーザンはスティーブンに意見を求められるが、
彼女にとってもこれはまったく未知の症状だった。

まもなく爆発的な勢いで世界中に広まったこの病気は、
重症嗅覚障害症候群の頭文字をとって“SOS”と名付けられた。

その混乱の真っただなか、スーザンは自宅のアパートメントの向かいの
レストランで働くハンサムなシェフ、マイケルと出会った。

気ままな快楽主義者として生きるマイケルは、“SOS”の影響で
客足が途絶えた店の厨房にスーザンを招き入れ、
即席の料理を振る舞う。

スーザンはつらい過去を持つがゆえに異性との間に距離を置いてきたが、
マイケルの気さくな人柄に親しみを覚える。
ところがその瞬間、スーザンは突如として泣き出し、
彼女を自宅に送り届けたマイケルも深い悲しみに襲われてしまう。
涙を流しながらベッドで抱擁を交わしたふたりは、
翌朝目覚めると完全に嗅覚を喪失していた。

“SOS”が蔓延した国際社会は、環境、宗教、テロなどの問題が
激化し、不穏な空気が渦巻いていった。
そんななか世界中で一斉に、想像を絶する新たな事態が勃発する。

“SOS”の患者たちが突如恐怖感に打ち震えた直後、
極度の飢えを覚え、手当たり次第にあらゆる物を
貪り食い始めたのだ。

マイケルもスーザンもその制御不可能な症状に見舞われ、
世界中の人々が味覚を失っていった。

マイケルが勤めるレストランのオーナーは失意のどん底で
廃業を覚悟するが、意外にもそれは杞憂に終わった。

多くの人々が嗅覚と味覚をなくした代わりに別の感覚を研ぎ澄ませ、
この人類史上かつてない困難な状況への適応を模索して
いったのだ。
レストランには料理の温度や触感を楽しもうとする客がつめかけ、
マイケルとスーザンの仲もいっそう親密になった。

ふたりは心の奥底に封印していた過去の忌まわしい秘密を打ち明け合い、
かけがえのない絆を育んでいく。

しかし平穏な日常を取り戻しかけた人類は、
さらなる危機的事態に陥っていく。
理由なき憎悪の感情に胸をかきむしられた人々が、
ことごとく聴覚をなくしてしまったのだ。

世界各国の政府は暴徒化して荒れ狂う市民を抑えられなくなり、
グラスゴーの街も荒廃の一途をたどった。

当局にレストランの閉鎖を命じられたマイケルも、
この怒りと憎しみの病から逃れられず、
スーザンに理不尽な罵声を浴びせて傷つけてしまう。

こうして匂いも、味も、音も失われた文明社会は、
残酷なほど確実に世界の終わりへと向かっていた。

このまま人類は、為す術もなく終焉の日を迎えるのか。
それともまだ生きることを諦めず、
新たな未来へと踏み出せるのか?

なおも猛威をふるう奇病が地球全土を暗黒の闇で覆い尽くそうとするとき、
離ればなれになっていたマイケルとスーザンは、
この世に残された最後の光をたぐり寄せるため
無我夢中で走り出すのだった……。

(1996-2012 CINEMA TOPICS ONLINE.)

というもの。

去年観た「コンテイジョン」の後にこの予告を観て
題材は似てるけど、「ゴーストライター」の好演で
気になっていたユアン・マクレガーと、
007のエヴァ・グリーンに惹かれ鑑賞。

とはいえ、見に行くタイミングがギリギリになってしまったのだが、
単なるパニック映画ともサスペンスという感じでもない
優しい雰囲気。

まずスタッフ
監督:デヴィッド・マッケンジー
脚本:キム・フォップス・オーカソン
製作:ジリアン・ベリー、マルト・グルナート
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
編集:ジェイク・ロバーツ
美術:トム・セイヤー
衣裳デザイン:トリシャ・ビガー
音楽:マックス・リヒター

キャスト
マイケル:ユアン・マクレガー
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スーザン:エヴァ・グリーン
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ジェームズ:ユアン・ブレムナー
ジェニー:コニー・ニールセン
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スティーブン:スティーブン・ディレイン
ボス(レストラン・オーナー):デニス・ローソン

という面々。

嗅覚→味覚→聴覚→視覚という順番で五感が失われていく
奇病が原因不明で世界中で発生するという、
パンデミック感染が題材。

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ただ、いきなり感覚が失われるのではなく、
その前に何か変わった兆候が現れ、
それが治まると感覚が失われるという
新しい構成で、物語が進む。

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一応SFだが、現代人の慢心を諌めるかのように、
この物語で科学は全く無力である。

スーザンは、絶望的未来をいち早く察知する中で
救いを求めるように恋をし、傷つき、真の愛に気づいていく。

中盤、彼女が科学の限界を身をもって知っていた過去が明かされ、
扮するエバ・グリーンの繊細な感情表現が胸を打つ。

一方のマイケルは嗅覚、味覚が失われても
人々に会食の楽しみを提供しようと工夫する。
それは自身の生の証しでもあったが、
さらに事態が悪化すると愛の力に気づき、必死に愛を求める。
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そんなふたりの背景に、どんな苦難に見舞われても
前向きに人間らしく生きようとする人々の切ない姿が映り込み、
希望を生むというストーリーだ。
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また、世界の状況については詩的なナレーションで終始示した構成も、
悲劇にワンクッションを置いて効果的。
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それが終盤、触れ合いを求めて捜し合うふたりの情感をナレーションが浮き彫りにし、
絶望的結末ながら生きる力が余韻となる
優れた物語になったと感じた。

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